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H16年:企業経営理論:第4問設問4

 次の文章を読んで、下記の設問に答えよ。
 大企業の生産部門に約10年勤務したA氏は、自分が腕を磨いたアルミ加工技術を活かすべく、(1)会社を辞して仲間3名で出資して資本金506万円で平成11年に有限会社を設立した。彼らは常に生産現場で協力しながら、アルミ鋳物の鍋やフライパンを作り続けた。製品は好評で、会社は2年間毎月売上を伸ばしたが、3年目に入ると陰りが見え始めた。幸いにも(2)新製品の開発に成功し、やがてそれが売上に貢献するようになった。工場を拡張し、営業部門も増員した。ところが、会社が大きくなるにつれて、長期雇用をべ一スに熟練を形成して、従業員の創意工夫が湧きあがる会社を目指すという社長の意図が浸透せず、従業員の士気は低下しはじめた。重大な危機と認識した社長は、(3)矢継ぎ早に必要な手立てを講じた。こうして勢いを取り戻した会社では、従業員から製品アイデアや生産工程の改善アイデアが出るようになった。現場の知恵を活かした新製品は好評で、会社は売上を伸ばし始めた。やがて(4)地元の大学と連携を深めながら、アルミ溶接などの高度な技術に挑戦するようになった。

(設問4)
 文中の下線部(4)のように産学連携を進める際に、大学のTLO(技術移転機関)が重要な役割を果たすとの期待が高まっている。しかし、中小企業にとってはTLOと連携して技術戦略を推進するのは必ずしも容易ではないようである。その理由として最も適切なものはどれか。

ア.外部機関との共同研究によって生れた特許は、原則として大学に帰属するので、TLOにとっても中小企業にとっても共同研究に取り組むインセンティブが働きにくい。
イ.大学のTLOには中小企業の技術や経営に精通した人材が比較的少ない。
ウ.大学のTLOや産学連携に関する情報が中小企業へは全く伝わらない。
エ.大学の保有する特許は先端技術に基づくものばかりであり、ビジネス化には多額の追加投資が強いられがちであり、中小企業には不向きである。



【考え方】
 TLOとは、テクノロジー・ライセシング・オーガニゼーション(技術移転機関)のことです。
 外部機関との共同研究によって生れた特許は、原則として大学に帰属するとは限りません(ア)。
 中小企業白書(2003年版)では、TLOが抱える問題として「スタッフの不足」が、中小企業がTLOを利用しない理由として「情報の不足」が、それぞれあげられています(イ、ウ)。ちなみにウの「全く伝わらない」というのは、極端な表現で不適切な説明と言えます(情報が不足しているだけで、全く伝わっていないわけではありません)。
 大学の保有する特許は先端技術に基づくものばかりではなく、中小企業には不向きであるわけではありません(エ、オ)。
【答え】→イ
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企業経営理論 | 22:41:30 | Trackback(0) | Comments(0)
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